排煙設備のしくみと、維持管理の留意点について

消防活動上必要な施設に含まれる、排煙設備について説明したいと思います。排煙設備は建築基準法においても規定されております。何故同じ排煙設備が建築基準法と消防法で規定されているかについてですが、設置の目的とする考えが異なっているからです。建築基準法で規定されている排煙設備は、早期に煙を排出して避難者が容易に避難することができることを目的としたものです。消防法で規定されている排煙設備は、消防隊が消火活動をするときに活動しやすいようにするためのものです。ややこしいですが、そのような目的の違いから規定されていることをお分かりいただければと思います。ちょっと混同しそうなので、「建築排煙設備」、「消防排煙設備」と便宜上呼称することもあります。

続いて排煙設備のしくみと、維持管理上の留意点ですが、「消防排煙設備」のことです。

排煙設備の種類としては自然排煙方式と機械排煙方式があります。機械排煙方式が主流ですので機械排煙方式の排煙設備につきまして以下、説明いたします。

機械式排煙設備のしくみは、建物の天井に煙を吸い込むための「排煙口」が設置されていまして、その煙を「排煙機」で吸い込み、屋外に排出するものです。当然煙を排煙口から排煙機まで送るための「風道」が設置されています。排煙する場合には、一定の面積の「防煙区画」ごとに排煙するしくみとなっています。排煙口は通常天井に設置されていますが、平常時には、天井材と同様の材質の四角いふたでおおわれています。使用するときに、起動スイッチを操作しますと、排煙口のふたが開き垂直に下がりまして、排煙口が現れます。それと同時に排煙機を作動させるものです。排煙機はモーターと排煙するための風車のような形状の羽からできています。モーターで動きますので、電気配線や制御盤があります。

排煙口は「防煙区画」ごとに1個以上設置しなければならないことと、30mごとに必要とされています。起動スィッチは防煙区画ごとに設置しなければなりません。この起動スィッチは壁に取り付けるものと、天井から紐状のもので吊り下げるものとがあります。壁に取り付けるものは、床面から高さ0.8mから1.8m、吊り下げ式のものは、高さ1.8mの位置に設置することとされています。

維持管理上の留意点ですが、起動スィッチで壁つきのものは、とかく什器等で見えなくなってしまう場合がありますので、起動スィッチのまわりには物を置かないことが必要とされます。また、排煙口の近くに、物が高く積まれたりしますと排煙口は開きませんので、排煙口の周りも物を高く積まないようにすることですね。

煙の制御は極めて難しいものです。万一、謝って火災の発生していない防煙区画の排煙口をあけたりしますと、煙が逆流して、かえって建物の中に煙が充満したというような失敗例もあるようです。そのようなことを踏まえまして、排煙設備全体の排煙口、防煙区画、風道のルート、排煙機の位置を示した図面を予め防災センター等に備えて、万一の場合に煙の制御が出来るように備えることも大事なことです。

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